- 乾燥させたリンデン材のみ
- ロシアの工房で轆轤挽きし、手描きで仕上げ
- しっかり噛み合う継ぎ目と、数層のクリアラッカー仕上げ
名前の由来
マトリョーシカという語は、19世紀に一般的だったロシアの農民名マトリョーナの愛称形で、ラテン語のmater(母)にさかのぼります。つまりこの器の名前は、文字どおり「小さな母」を意味します。
もう一つの呼び名バブーシカはロシア語で祖母を指し、ロシアでの呼称ではありません。外側の人形がスカーフをかぶっているため英語圏で定着しました。詳しくはマトリョーシカとバブーシカをご覧ください。
層が表すもの
- 母性。開くと中からもう一体現れる形は、妊娠と世代の継承をそのまま表します。
- 家族と連なり。外から読めばセットは血筋の線です。
- 豊穣と実り。一つの殻が多くの人形を宿すという図は、19世紀の農村では素直に希望の像でした。
1890年にセルゲイ・マリューチンが描いた最初のセットは、それを明示していました。黒い雄鶏を抱くスカーフ姿の農村の娘が開くと、農作業をする少年少女が続き、中心にはおくるみの赤ん坊がいます。
中心が肝心です
伝統的なセットでは、いちばん内側は多く赤ん坊で、他と違って中空ではなく中実です。開きません。連なりはどこかで終わらねばならず、それは一族のいちばん新しい命で終わります。
意味しないこと
古代からのものではありません。最初の一体は1890年、モスクワ郊外アブラムツェボ邸の工房で挽かれ、本州から持ち帰られた日本の入れ子人形にも着想を得ています。
宗教的な器ではありません。儀礼もなく、色に伝統的な象徴もありません。
村から自然に生まれたのでもありません。順序は逆で、民芸様式の復興を志した知識人の工芸工房で設計されました。
この図像が遠くまで旅した理由
- 心理学や治療の場で、人の層や大人の中の子どもを語るために。
- 哲学や科学の文章で、再帰的に入れ子になったものの代名詞として。
- タトゥーでは、母性、血筋、あるいは身につける人の隠れた層として。
- デザインでは、そのシルエットが温かさ、家族、手仕事を一目で伝えます。
絵付けに宿る地域の意味
- セミョーノフ:黄色地に大きな緋色のバラ。
- セルギエフ・ポサド:村の情景と日々の労働。
- 昔話のセットは人形をまたいで物語を語ります。
- 冬のセットは器を季節に結びつけます。
違いは地域ごとの様式で比べています。
意味からセットを選ぶ
個数は絵付けと同じだけ意味を担います。家族の人数と同じ数の人形は、この器のいちばん古い使い方です。個数や絵付けの伝統から探せます。
よくある質問
マトリョーシカは何を象徴していますか。 +
母性、家族、そして連なりです。名前はマトリョーナの愛称形で、ラテン語のmater(母)にさかのぼるため、この器は文字どおり「小さな母」と呼ばれています。開いて中からもう一体現れる形は、ある世代が次の世代を抱えることを表し、伝統的ないちばん内側の人形は開かない中実の赤ん坊です。
マトリョーシカは古代からの伝統ですか。 +
いいえ。最初の一体は1890年、モスクワ郊外アブラムツェボ邸の工房で挽かれ、日本の入れ子人形にも着想を得ています。歴史は1世紀あまりで、民芸様式の復興を志した知識人の芸術家が設計したもので、村の手仕事から生まれたわけではありません。
マトリョーシカのタトゥーにはどんな意味がありますか。 +
多くは母性、家族の血筋、あるいは身につける人の隠れた層を表します。この図像がタトゥーとして好まれるのは、構造そのものが説明になっているからです。人形の中の人形に説明文は要りません。特定の色に決まった伝統的な意味はありません。
なぜいちばん小さい人形は中実なのですか。 +
連なりはどこかで終わらねばならず、伝統的なセットでは一族のいちばん新しい命で終わるからです。いちばん小さい人形はたいていおくるみの赤ん坊で、セットの中で唯一、開かない中実の木から挽かれます。